2007年2月22日木曜日

深夜タクシーに乗る

大阪のオフィスから、奈良の自宅まで、タクシーで帰った。

深夜残業でタクシーを使うのは久しぶりだった。

11時を過ぎるころには、オフィスビルの周りには、深夜帰宅のサラリーマン
を狙うタクシーが、路肩に点々と停車しているのだ。

文字通り長距離客を「狙う」のだが、彼らは実際にはに狙うことはできない。
選ぶのはこちらのほうだ。 獲物が自ら捕獲者に進み出る珍しいパターンである。

僕は深夜の長距離タクシーが好きである。
人見知りするので、運転手と、長々雑談をするのは苦手だが、
真夜中の高速を車窓から眺めたり、外を流れる街灯の黄色い灯りの列が車のなかに何度もすべりこんでくるのをぼぉっと見ていたりするのが好きである。

ラジオもいい。
まじめそうなパーソナリティが、書評をやったり、最近の流行に意見を述べたりしている。
時々、まず思い起こさないようなことについて話してたりする。
各国の起床時刻の違いとか、全国の公民館の使われ方とか。
この間は「自分にあった補聴器の選び方」だった。

こういうのを本気で聞き込んでみると、意外に楽しい。

**********************************

家について、その話の続きを聴こうと部屋のラジオをつけてみると、
不思議と一向に面白くないんですね、これが。

やはりああいうのは深夜のタクシー向きのようだ。

2007年2月11日日曜日

マービンゲイ

久しぶりにマービンゲイを聴いた。
「スタボーンカインドオブフェロー」という、古い曲をnapsterで落として聴いてみた。

この人のシャウトは上品だ。

時々、というか頻繁に声が上ずるんだが、それも上品。
なんだか、
「不本意ながら、気持ちが高ぶりまして、その結果このような上ずりに」
といった感じ。

学生時代はマービンが大好きで、「what's goin' on」のCDを何度も、擦り切れるまで、
といいたいがCDは擦り切れないので、まぁ、たくさん聴いて、
彼がどこでどんなシャウトをするかまですべて記憶していて、完コピ状態で
「ホゥッ」とか、
「アー」とか、

しまいには間奏のサックスソロまで覚えていた。

ファンならこれくらい当たり前のことである。

Let's Get It On の出だしのワウワウ・ギターが弾きたいために、CryBabyを購入。

ファンならこれくらいは。

2007年2月10日土曜日

gecko cries

geckoとはヤモリのこと。
鳴き声からこの名がついている。
東南アジアにすむ「トッケイ」も、やっぱり鳴き声が名前。
鳴く爬虫類は珍しいらしい。そう言われるとたしかに。

うちにはよくヤモリがくる。
外でなく、中に。いったいいつ入るのか。
会うと本当に驚く。
正直、やめてほしい。

ハエや蚊などは、窓があいたときに入ったんだろ、くらいなもんで、
いてもまぁ、しょうがないなと思う。
ゴキブリ(うちではまだ出ないけど)や、クモ(これは出る)は、入ったというより
「すんでらっしゃるんですね」という感覚なので、これもまぁ。

しかしである。
ヤモリは間違いなく外に住んでいる。はずである。
また、そうそうヤモリが入ってくるような瞬間もなさそうなはずである。

なのに、「入っていいですか」というわけでもなく、突如
「ちょこーん」といるのだ。家の中に。
我が家の壁を、あの特殊な分子間力を駆使した指で壁歩きをしているのだ。
もう十数回、遭遇しているが、そのたびに心臓が飛び出るほど驚く。そりゃもう驚く。

外で貼り付け、と。
外を守れ、と。

捕まえるのだって一苦労である。
なにせ家守(やもり)様なので殺すわけにも行かない。
時には網。時にはビニール。

でもなぜか、何度も出会ううちに妙な興味が湧きつつあることに気づく。
不思議な生きものだ。